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連結売上高3兆円に向け海外現地化拡大
――新型軽乗用アルトに新開発小型車スイフトの投入とスズキの商品強化にみる積極経営が前面に出ています。
鈴木 「今回、軽乗用車新型アルトの投入、新開発の小型車スイフト投入とスズキとしても次の方向性を示すものでもある。本年度スズキのグローバル生産・販売は200万台、うち国内はOEMを入れて80万台が軽主体、輸出が小型主体で20万台。海外の100万台が小型車ということで日本国内では軽自動車メーカーと言われるが世界市場では小型車メーカーとして評価されるようになった。グローバルでみると6割が小型車、4割が軽自動車となり名実ともにスズキは『小型車の自動車メーカー』になったと思っている」
――業績面でも連結売上げ2兆円突破、経常利益1000億円確保といまやスズキも「浜松の中小企業」から「浜松の大企業」ですね。
鈴木 「いやいや、あくまでも浜松の中小企業を忘れてはいかん。いつでもそう思ってますよ(笑い)。まあ、それはそれとしてスズキの連結売上げで8・7・7と言ってるがこれは国内8000億円、輸出向け国内7000億円、海外7000億円で2兆2000億円。次の方向となるとこれを8・7・15で3兆円売上げへ、となるとまさに海外は現地で生産し現地で売って売り上げ伸ばしていくグローバルの時代になってきたことだ。グローバル化における人材の不足は否めない。グローバルな業容拡大のなかで陣容が追いついていない。陣容の再構築、人材を育成ていかねば。若い経験、やる気をカバーしていくことも重要だ」
軽自動車は国内全需の3割、スズキは軽自動車の3割
――6代目アルトも投入したわけですが、何よりも軽自動車アルトへの思いは強いのでは。
鈴木 「スズキとしても昭和50年に排ガスで大失敗して全従業員が打ち萎れてさあ、うちがどうやっていこうかという時代に社長に就任(昭和53年)したわけだが、アルトは従来の発想を変え貨客兼用で機能重視の実用的な多目的車として発売した。これが結果的に良かった。アルト投入を契機に軽自動車の衰退から復活への道筋が、同時にスズキの起死回生にもなった。全国統一価格47万円やマルチパーパスの思想が当たりアルトの利益を過去に懲りて4サイクルの設備に切替えるなどスズキが4輪車、自動車メーカーとしてのスタートができた『思い出のアルト』だ。アルトから軽自動車が復興しいまや国内のクルマの3割が軽自動車。タクシーやバス、大型トラックを除くと実は4割近い市民権を得るようになった」
――それだけ軽自動車の市民権が強くなると年間180万台ラインから今後200万台も望めるのでは。
鈴木 「でもこの3割というのが常識的な線ということ。地についたビジネスは3割がいいところでまた、シェア3割もひとつの業種のなかで適正なところでこれを超えるとふつうでない。軽自動車年間200万台もというが、そうはいかないよ。180万台ラインがいいところなのでは。でも日産さんまでが軽自動車ビジネスに積極的になってきたんだからね。日産さんも軽自動車が販売店でそれだけ売れるということで、三菱自動車さんと話を進めたんだろう。新型アルトに対しては何と言ってもアルトが旗頭として軽を復興させたといううぬぼれもある。軽を維持し発展させた旗手としてのプライドもある。いかなる事情があれ、アルトが軽自動車のリーダーとして新型車への想いがあるし、自信をもって市場に投入したし手応えもある」
新型スイフトはプラットフォーム一新。国内アリーナ店育成に大きな戦力
――新型アルトに続いて発売したスイフトは、スズキコンパクトカーとしてかなり力を入れたようですね。
鈴木 「これは世界で通用するコンパクトカー、本格的小型車として開発したもの。社内でもいろいろ論議があったが、小型車としてプラットフォームも一新したのは若い人の意見で決めた。日本、ハンガリーに05年春にはインドと中国で生産開始するまさにスズキが世界に問う小型車だ。日本国内では新型アルト投入に続いたことで軽自動車だけにこだわることで小型車が伸びないのは一考を要する。その意味で新型スイフトは国内でも大きく伸ばさないと。小型車年販12万台計画を掲げて久しいがこれを機にまず7万台の達成に向かう。さらにスズキ車だけで10万台をやり、5年以内には12万台とステップを踏んで何とか軽自動車にコンパクト小型車市場で地歩を固めないといかん。アリーナ店育成・小型車強化へ従来の地域別営業体制から小型車・軽自動車を分化し責任体制も明確化舌。軽自動車におんぶにだっこからの脱却を図っていかねばということだ」
――今後のスズキグローバル戦略について。
鈴木 「今期、スズキの連結売上げは2兆2000億円の見込みだが、これから売上げを伸ばすには海外を10億円から15億円へ。それだけ海外戦略が重要。そのためアジアを中心に投資を積極化する。具体的なものがインドのディーゼルエンジン生産会社設立と第二の四輪車完成会社設立だ。ディーゼルエンジンは、フィアットとオペルとの3社間ライセンス契約に基づくもので最初は日本で作ることも考えたが、これからの輸出を考えると工数と欧州やアジアに持って行く立地でインドにした。ディーゼルエンジンの輸出基地ですよ。第二完成車会社は、たまたまインドで50万台作っておりインドの人口、クルマの普及から生産増強が必要ということ。さらにインドネシアも今後アジアの拠点となるし、中国も人口が多くクルマの普及、発展から大きくなる。ハンガリーは、新型スイフトも日本に続き生産を立ち上げるなど欧州戦略の拠点としての確立を図っていく」
次代の経営陣容育成待ったなし。走り続けながら人材の育成を
――内外で精力的に動かれる鈴木修会長ですが、長期政権からスズキの次代を担う経営の移行も必然的なもの。今後のスズキの方向も含めてどう考えていますか。
鈴木 「スズキも13年前に1兆円売上げを達成しこれをさらに進めて今期2兆円超えの2兆2000億円になる見通しになった。さらにスズキの長期ビジョンを描いていかねばならない。これまでGMとの提携や拡大海外戦略もスズキを発展させるためにやってきた。だが反省点は、10年後に2兆円を超える連結売上げになるという計画に人材育成がなかった。さらに3兆円を目指すには人材不足だ。経営陣容の再構築は待ったなし。いま足踏みをしてる場合ではない。立ち止まって教育する時間はない。走り続けながら人材育成に力を入れ若い経験不足、やる気をカバーしていく。 スズキの流れがいいから、ここでバトンタッチして一歩さがるという手がひとつある。だが、まだまだやらなければならない問題も多い。次の世代の経営者としての育成を考えながら走っていく」
(「Mobi21 vol.28」から記事抜粋 04/12/24)
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