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| トヨタとホンダは「沈黙」「存在感」増す日産・志賀C O O 福田 俊之(ジャーナリスト) |
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| 新しい年になると「一年の計は元旦にあり」という言葉をよく耳にする。物事を始めるにはまず計画を立て、それに沿って事を進める方がうまくいくという意味だ。しかし、2008年秋以降の世界的な景気悪化と新車販売の急激な落ち込みを受け、「どん底」が続いた自動車業界からは、どうも新年を迎えても本格回復に向けての力強いメッセージが伝わってこない。 その傾向は元旦に配達される新聞にも顕著に現れていた。例年、元日の新聞は別刷りの特集記事を含めて分厚く、郵便ポストに入りきれないほどである。だが、今年は総ページ数で読売、朝日、日経の3紙はかろうじて100ページを超えたものの、毎日が76ページ、産経が72ページ、東京が62ページにとどまった。コスト削減からホンダや日産自動車などの大手企業が軒並み新年広告の出稿を取り止めたためである。自動車業界では元日から七草(7日)までの間に全国紙に全面広告を掲載したのは「いろんな未来があって、みんなワクワクするね。」という人気沸騰の「こども店長」の新春メッセージを取り上げたトヨタと昨年末に発表した新型「エグゼ」のCMキャラクターである香取慎吾がモデルの「初売りにエグゼよ。」という宣伝コピーのカラー広告を掲載したダイハツの2社だけだった。 露出度が少ないのは広告ばかりではない。編集面でも自動車関連の記事は目立たなかった。一応、日経本紙が元日の1面準トップに「環境車の安全に日本案、国連採用、世界標準に」と報じ、「次の10年へ未来を読む」という特集の中では「電気自動車を核とした街づくりが進む」と提言した。東京新聞は「電気自動車量産本格化へ、『普及元年』になるか」というエコカー関連の企画記事を取り上げたが、日経と東京を除く他紙には「自動車」という見出しを探しても見当たらなかった。 さらに、沈黙を続ける自動車業界を象徴する特集記事は、新年恒例の経営者による「景気・株価見通し」(3日付日経)である。記事を読み終えて、改めて驚いた。今年の景気については最長老経営者のスズキの鈴木修会長兼社長が「海外経済の改善を背景に景気は持ち直すが、回復ペースは極めて緩やか」と回答しているが、株価については自動車業界からの経営者の回答はなかった。一方、同様の経営者アン ケートを3日付の読売も掲載したが、この欄には日産自動車の志賀俊之COOが登場。しかし、株価や為替相場については「無回答」だった。30人の経営者の中で「無回答」は志賀氏だけだったが、嫌がらずに取材に応じる積極的な姿勢は評価したい。 今年5月、日本自動車工業会の会長ポストはホンダから日産にチェンジするが、ホンダ出身の青木哲会長の後任として次期会長には志賀氏の就任が有力視されている。その志賀氏は、業界団体の新春賀詞交歓会でも、メディアのインタビューに快く応え、6日付の朝刊各紙には景気見通しについて「天気に例えるなら曇りのち薄日。エコカー補助金の延長などで消費に勢いが付けば回復の兆しも見える」とコメント。日経の「鳩山政権への注文と期待」にも「雇用や円高是正をしっかり。日本の強みを認識した政策も」などと述べている。 年末年始、トヨタ自動車とホンダは恒例の「社長会見」を見送った。9日付の日経朝刊によると、新年に入ってトヨタの豊田章男社長は記者団に「暴風雨は抜けた」などと語ったそうだが、日経以外に豊田社長のコメントを取り上げた全国紙はなかった。マスコミも経営者の「仕分け」が始まったようだ。 (Mobi21 9月号掲載記事より抜粋。購読申し込みはこちら) |
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